2020年2月25日更新
占いには、専門用語がたくさん! 知りたかったあの用語、この用語を解説します。
な行
ナクシャトラ
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納音
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二十四節気
【ナクシャトラ(nakshatra)】:インド占星術
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月が1日の間に移動する距離をもとに、全天を27に分けた区分です。西洋占星術では、太陽の動きをもとにした黄道12星座が重要視されますが、インド占星術では、ナクシャトラも重視して占います。
現在使用されている一般的なナクシャトラは、太陽の通り道である黄道360度を27に均等に分割します。1つのナクシャトラの範囲は、角度にして13度20分です。おひつじ座0度以降13度20分未満がアシュビニ、13度20分以降26度40分未満がバラニ、おひつじ座26度40分以降牡牛座10度00分未満がクリッティカ……と、続きます。ただし、ここでいうおひつじ座とは、インド占星術のおひつじ座であり、西洋占星術のおひつじ座とは、違います。
インド占星術では、西洋占星術と同じ12星座を使いますが、サイデリアル方式といって、恒星の位置を基準に、12星座の位置を決定します。西洋占星術の12星座は、トロピカル方式といって、春分点を基準に、12星座の位置を決定します。そのため、インド占星術の12星座と、西洋占星術の12星座は、時間が経つにつれ、だんだんずれていきます。2000年の時点では、インド占星術のおひつじ座0度は、西洋占星術では、おひつじ座23度51分ほどに相当します。
ナクシャトラもまた、インド占星術の12星座におけるおひつじ座0度が起点なので、西洋占星術の12星座とは、ずれていきます。
27のナクシャトラは、以下です。
| ナクシャトラ名 | 守護星 | 始まりの度数(インド) | 始まりの度数(西洋) |
1 | アシュヴィニ | ケートゥ | おひつじ座00度00分 | おひつじ座23度51分 |
2 | バラニ | 金星 | おひつじ座13度20分 | おうし座07度11分 |
3 | クリッティカ | 太陽 | おひつじ座26度40分 | おうし座20度31分 |
4 | ローヒニ | 月 | おうし座10度00分 | ふたご座03度51分 |
5 | ムリガシラ | 火星 | おうし座23度20分 | ふたご座17度11分 |
6 | アールドラ | ラーフ | ふたご座06度40分 | かに座00度31分 |
7 | プナルヴァス | 木星 | ふたご座20度00分 | かに座13度51分 |
8 | プシュヤ | 土星 | かに座03度20分 | かに座27度11分 |
9 | アーシュレーシャ | 水星 | かに座16度40分 | しし座10度31分 |
10 | マーガ | ケートゥ | しし座00度00分 | しし座23度51分 |
11 | プールヴァ・パールグニ | 金星 | しし座13度20分 | おとめ座07度11分 |
12 | ウッタラ・パールグニ | 太陽 | しし座26度40分 | おとめ座20度31分 |
13 | ハスタ | 月 | おとめ座10度00分 | てんびん座03度51分 |
14 | チトラ | 火星 | おとめ座23度20分 | てんびん座17度11分 |
15 | スヴァーティ | ラーフ | てんびん座06度40分 | さそり座00度31分 |
16 | ヴィシャーカ | 木星 | てんびん座20度00分 | さそり座13度51分 |
17 | アヌラーダ | 土星 | さそり座03度20分 | さそり座27度11分 |
18 | ジェーシュタ | 水星 | さそり座16度40分 | いて座10度31分 |
19 | ムーラ | ケートゥ | いて座00度00分 | いて座23度51分 |
20 | プールヴァ・シェーダ | 金星 | いて座13度20分 | やぎ座07度11分 |
21 | ウッタラ・シェーダ | 太陽 | いて座26度40分 | やぎ座20度31分 |
22 | シュラヴァナ | 月 | やぎ座10度00分 | みずがめ座03度51分 |
23 | ダニシュタ | 火星 | やぎ座23度20分 | みずがめ座17度11分 |
24 | シャタビシャク | ラーフ | みずがめ座06度40分 | うお座00度31分 |
25 | プールヴァ・バードラパダ | 木星 | みずがめ座20度00分 | うお座13度51分 |
26 | ウッタラ・バードラパダ | 土星 | うお座03度20分 | うお座27度11分 |
27 | レーヴァティ | 水星 | うお座16度40分 | おひつじ座10度31分 |
※ラヒリのアヤナムシャ2000年時点
ナクシャトラが大事なのは、月がどのナクシャトラを運行しているときに生まれたかによって、ダシャが決まるからでもあります。ダシャは、人生の時間を複雑な計算法によって区切り、各期間の運命を司る守護星を割り出す占法です。生まれたときに月が運行していたナクシャトラの守護星が、ダシャ算出の基準となり、何歳のときに何が起きるか、具体的に占うことができます。
六十干支に五行を配当して、さまざまな名前をつけたもの。30種類あります。自由律俳句で有名な種田山頭火の「山頭火」も納音のひとつです。雨が地面をたたくときに音がするように、事物が変化するときには、何か音がする。同じように、五行と干支が交わるときも何か「音を納める」から、納音というのだとか。六十干支と同様、規則性をもって循環します。昔は、六曜(大安、仏滅など)と同じくらいポピュラーなものでしたが、今は知る人も少なくなった占いの要素です。
【二十四節気(にじゅうしせっき)】:四柱推命/九星気学/風水/算命学/陰陽道など
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春夏秋冬の季節の始まりを私たちは体で感じますが、果たして、季節は、いつの瞬間に変わるのでしょうか。その瞬間をはっきりと定義するのが、二十四節気です。基準となるのは、地球と太陽の位置関係。太陽の通り道、黄道のどこに太陽が見えるかによって決まります。
太陽の黄道上の位置は、春分点を0度として、360度の度数で示します。
■二十四節気■
季節 |
名前 |
読み |
太陽黄経 |
日程 |
節入り |
冬 |
小寒 |
しょうかん |
285度 |
1月6日 |
|
冬 |
大寒 |
だいかん |
300度 |
1月20日 |
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春 |
立春 |
りっしゅん |
315度 |
2月4日 |
年の節入り・春の節入り |
春 |
雨水 |
うすい |
330度 |
2月19日 |
|
春 |
啓蟄 |
けいちつ |
345度 |
3月6日 |
|
春 |
春分 |
しゅんぶん |
0度 |
3月21日 |
|
春 |
清明 |
せいめい |
15度 |
4月5日 |
|
春 |
穀雨 |
こくう |
30度 |
4月20日 |
|
夏 |
立夏 |
りっか |
45度 |
5月6日 |
夏の節入り |
夏 |
小満 |
しょうまん |
60度 |
5月21日 |
|
夏 |
芒種 |
ぼうしゅ |
75度 |
6月6日 |
|
夏 |
夏至 |
げし |
90度 |
6月22日 |
|
夏 |
小暑 |
しょうしょ |
105度 |
7月7日 |
|
夏 |
大暑 |
たいしょ |
120度 |
7月23日 |
|
秋 |
立秋 |
りっしゅう |
135度 |
8月8日 |
秋の節入り |
秋 |
処暑 |
しょしょ |
150度 |
8月23日 |
|
秋 |
白露 |
はくろ |
165度 |
9月8日 |
|
秋 |
秋分 |
しゅうぶん |
180度 |
9月23日 |
|
秋 |
寒露 |
かんろ |
195度 |
10月8日 |
|
秋 |
霜降 |
そうこう |
210度 |
10月24日 |
|
冬 |
立冬 |
りっとう |
225度 |
11月8日 |
冬の節入り |
冬 |
小雪 |
しょうせつ |
240度 |
11月22日 |
|
冬 |
大雪 |
たいせつ |
255度 |
12月7日 |
|
冬 |
冬至 |
とうじ |
270度 |
12月22日 |
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※日程は2019年の日付を記載しました。年によって日付は前後します。
このうち、立春(太陽黄経315度)を年の節入り(せついり)と呼び、多くの東洋系の占いでは、1年の始まりとします。いわゆる寅年生まれや辰年生まれなど、生まれの十二支は、年の節入りが基準です。
例えば、2019年は亥年(いのししどし)、2018年は戌年(いぬどし)ですが、2019年1月はまだ立春の前なので、前の年の扱いです。すなわち、2019年1月生まれの人は、亥年生まれではなく、戌年生まれということになります。
2019年の立春は、2月4日12時14分(国立天文台暦要項より)。厳密に言うと、2月4日12時13分生まれまでの人が戌年生まれで、12時14分生まれ以降の人が亥年生まれということになります。
九星の本命星(ほんみょうしょう)も、年の節入りをもって切り替わるので、2019年の場合は、2月4日12時13分生まれまでは九紫火星、12時14分生まれ以降が八白土星となります。
なお、流派によっては、節入りの瞬間を含む日を「節入り日(せついりび)」と呼び、時間とは関係なく、その日になったら節入りしたとみなすこともあります。