2024年11月18日更新
占いには、専門用語がたくさん! 知りたかったあの用語、この用語を解説します。
か行
忌日
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吉方取り
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逆位置
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逆行
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九星
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キロン
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ゲート
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夏至
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黄道・黄道帯
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コーヒー占い
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高揚の座
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五行
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暦
初七日(しょなのか)、四十九日(しじゅうくにち)、百か日(ひゃっかにち)、一周忌(いっしゅうき)といった、亡くなった人のために行う法要の日を「忌日(きじつ)」といいます。
由来は仏教ですが、その始まりはインドではなく、中国です。唐代末に書かれたといわれる「十王経(じゅうおうきょう)」が源流とされています。
仏教がインドから中国に渡り、道教と習合して、「偽経(ぎきょう)」と呼ばれる新しい経典が作られていく過程で生まれたもののひとつです。
「偽」という字が使われていますが、決して偽物であるという意味ではありません。インドから中国に持ち込まれたサンスクリット語の仏典を「真経(しんぎょう)」と呼ぶのに対し、中国の仏教学者が中国で著したものを「偽経」と呼んで区別しています。
その偽経のひとつである「十王経」が日本に渡り、それに因んで法要を行うようになりました。
「十王経」には、亡くなった人が死者の国に入るまでの間にどんなことが起きるのか、描かれています。生前の行いを問われ、悪いことをした場合は刑罰を受けます。悪事をなすと厳しい仏罰を受けるという戒めのためなのでしょうか、その刑罰の描き方はかなり具体的で、ほぼすべてが激痛を伴う体罰です。
しかしそれは同時に、生前の罪を償い、次に生まれ変わるために魂を浄化する修行でもあるのです。「十王経」では、十王と呼ばれる10の仏に面会しながら、裁きを受け、償い、魂を浄化します。どんな裁きを受けるかは仏ごとに違い、10番目の仏に会うまでには、丸2年を要します。
亡くなった人の菩提寺の宗派にもよりますが、十王にさらに三の仏を加え、「十三仏(じゅうさんぶつ)」の法要を行うと、忌日は三十三回忌までの13回となります。
遺族は、一般的に四十九日までを忌中(きちゅう)として、この期間は結婚式などのお祝いごとへの出席や、神社への参拝は控えることが多いようです。
亡くなった人を裁く裁判官である十王あるいは十三王には、対応する本地仏(ほんじぶつ)があり、各王と本地仏は同じものだと考えられています。亡くなった人が忌日ごとに面会する十三王(十三仏)は以下です。
| 忌日 | 王名 | 本地仏 | 裁判の内容・起きる出来事 |
1 | 初七日 | 秦広王 しんこうおう | 不動明王 ふどうみょうおう | 殺生の罪。人や生き物を殺さなかったか。 |
2 | 二七日 | 初江王 しょこうおう | 釈迦如来 しゃかにょらい | 罪状読み上げ。生前に犯した罪の申し開きをする。 |
3 | 三七日 | 宋帝王 そうていおう | 文殊菩薩 もんじゅぼさつ | 邪淫の罪。みだらなことをしなかったか。 |
4 | 四七日 | 五官王 ごかんおう | 普賢菩薩 ふげんぼさつ | 天秤にのせられ、罪の重さを量られる。 |
5 | 五七日 (三十五日) | 閻魔王 えんまおう | 地蔵菩薩 じぞうぼさつ | 生前の罪を総括。罪があれば責め苦を受ける。 |
6 | 六七日 | 変成王 へんじょうおう | 弥勒菩薩 みろくぼさつ | 罪を悔い改める。反省しないと責め苦を受ける。 |
7 | 七七日 (四十九日) | 太山王 たいざんおう | 薬師如来 やくしにょらい | 言葉の罪。嘘、美辞麗句、二枚舌、悪口を裁かれる。 六道のどこに転生するか決まる。 |
8 | 百か日 | 平等王 びょうどうおう | 観音菩薩 かんのんぼさつ | 成仏へ向かう。罪を悔い改める。仏の慈悲を受ける。 |
9 | 一周忌 | 都市王 としおう | 勢至菩薩 せいしぼさつ | 残った罪をすべて浄化する勇気をもらう。 |
10 | 三回忌 | 五道転輪王 ごどうてんりんおう | 阿弥陀如来 あみだにょらい | 一生を俯瞰し、真の自分になり、仏と一体になる。 |
11 | 七回忌 | 蓮華王 れんげおう | 阿しゅく如来 あしゅくにょらい | 仏としての修行が進み、動じない存在になる。 |
12 | 十三回忌 | 祇園王 ぎおんおう | 大日如来 だいにちにょらい | 宇宙の真理と一体になる。 |
13 | 三十三回忌 | 法界王 ほうかいおう | 虚空蔵菩薩 こくうぞうぼさつ | 生きている遺族による弔いが終わる。 |
宗派や地方によって若干の違いがありますが、一般的に、忌日は故人が亡くなった当日を命日とし、「1日目」として数えます。
たとえば、5月1日が命日の場合、初七日は5月7日、二七日は5月14日、三七日は5月21日……四十九日は6月18日となります。ここまではすべて同じ曜日です。
百か日も、命日を1日目として100日目となり、5月1日が命日なら、8月8日にあたります。
一周忌は命日から1年後。2023年5月1日が命日なら、2024年5月1日が一周忌です。三回忌は命日を含む年を「1年目」として数え、亡くなったその日からは丸2年目となります。2024年5月1日が一周忌なら、三回忌は2025年5月1日です。「周」「回」と、言葉が違うので注意してください。
忌日ごとに、遺族や縁者が法要を行ったり、供え物をしたりすることで、亡くなった人の魂の修行の手助けとなり、成仏への道を進む応援になるのだと考えられています。
【吉方取り(きっぽうどり)】:九星気学/風水/陰陽道など
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悪い方位を避け、良い方位へ出かけたり、引っ越したりする開運法です。良い方位、吉方とは「あなたにとって良い気が流れている方位」のこと。東洋の考え方では、大地の上には木・火・土・金・水の5つの気が流れているとされます。この5つの気は、複雑なじゃんけんのような力関係で拮抗しており、生まれ持った気を生かす気と、傷つける気があります。
生まれ持った気を生かしてくれる気のある方位へ移動するのが、吉方取り。あなたが今いる場所から見て、吉方位にある神社などのパワースポットへ出かけ、その地のお水をもらったり、土地のものを食べたり、一定時間を過ごしたりするのが一般的なやりかたです。
日常生活の中では、どうしても、あなたの生まれ持った気を傷つける気が流れる場所へ行かなくてはならないこともあるでしょう。どんな場合でも、凶意を帳消しにする方法と理論が必ずありますので、占い師に相談してください。
【逆位置(reverse)】:タロット/ルーン/オラクルカードなど
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タロットやルーンなど、上下のある絵柄の占い道具が、さかさまに表示されること。リバース、リバーサルといった言葉を使うこともあります。
世界で最もポピュラーなタロットといっても過言ではない、アーサー・エドワード・ウエイトのタロットガイド「The Pictorial Key to the Tarot」には、各カードに正位置と逆位置の項目が設けられ、キーワードが並べられています。
しかし、どんな向きであろうが、そのカードが変質することはないという考えから、逆位置を勘案しない占い師もいます。また、「展開した複数のカードの中で、逆位置のカードが過半数を占めたら勘案する」「特別なカードと並んだときは勘案する」など、さまざまなやり方があり、今なお、新たなアイディアが生み出されています。
逆位置をどのように扱うかは、各占い師の経験、センス、ポリシーによって決まり、どのやり方が正しい、あるいは間違っているということは決めつけられません。
カードの持つ意味が正反対になるというよりは、星占いにおける惑星の逆行のように、「そのカードの機能が不完全になる」と解釈したほうが、より豊かな物語が紡ぎ出されるでしょう。
【逆行(retrograde motion)】:西洋占星術/インド占星術など
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天球の中を惑星が、見かけ上、逆方向に運行する現象です。通常、惑星は黄道の中を牡羊座1度、2度、3度……という具合に運行しますが、逆行のときは、牡羊座3度、2度、1度……の方向に進みます。
占いでは、その惑星の力が発揮されにくいと解釈します。
その惑星の管轄する分野で、以下の出来事が起こりやすくなるでしょう。
・不足する
・不適切な場面で過剰になる
・混乱する
・機能不全を起こす
・アンバランスになる
・中断する
・範囲が限定される
・欠点が出る
・隠れる
・内面に向かう
・専門性が高まる
・特殊な部分が発達する
・過去の問題が再燃する
・修正される
……など。
たとえば、情報伝達の分野をつかさどる水星が逆行すると、
・誤情報が流れる
・情報が伝わらない
・タイミングが合わない
・正しい情報だが、信じてもらえない
・一部の人だけに情報が伝わり、隠匿される
・嘘が本当になる
……などの現象が起きやすいと読みます。
キーワードだけを並べると、逆行はよくないことのように感じられますが、狭い範囲に惑星の力が集中することで、専門的な分野が発達するとも解釈できます。一概に「良い・悪い」で判断するのは早計です。
逆行の期間中に生まれた人が、特殊な分野のエキスパートになる場合もありますし、ある惑星が逆行している期間は、その分野の見直しに適したときだともいえます。
逆行は、太陽をめぐる2つの惑星のうち、内側の軌道を運行する惑星が、外側の惑星を追い抜くときに起こります。内惑星は内合を中心とした前後の期間、外惑星は衝を中心とした前後の期間です。
※内惑星:水星、金星
※内合:太陽、惑星、地球の順に一直線に並ぶこと
※外惑星:火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星
※衝:オポジション。太陽、地球、惑星の順に一直線に並ぶこと
逆行が起きる頻度と期間は以下です。惑星たちの描く軌道にはゆがみがあるので、下の数字は、ときによって少し増減します。
惑星 |
逆行期間 |
逆行の周期 |
関係する分野 |
水星 |
約24日間 |
約116日 |
コミュニケーション/情報伝達/勉強 |
金星 |
約42日間 |
約584日 |
恋愛/芸術/金運 |
火星 |
約80日間 |
約780日 |
仕事/スポーツ/勝負 |
木星 |
約120日間 |
約400日 |
学問/富/国際関係/開運 |
土星 |
約140日間 |
約378日 |
社会貢献/義務/責任 |
天王星 |
約150日間 |
約370日 |
科学技術/天文学 |
海王星 |
約160日間 |
約368日 |
芸術/海運/薬学 |
冥王星 |
約160日間 |
約367日 |
起死回生 |
読み方の例:水星は、逆行開始後、約12日後に内合となり、さらに約12日間逆行を続けた後、順行になります。内合から次の内合までが、約116日です。水星は、1年に3回逆行します。
【九星(きゅうせい)】:九星気学/風水/陰陽道など
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古代中国の思想のひとつ。一白水星から九紫火星までの9種類の気の流れによって、世界は成立しているという考えかたです。九星は、
五行とも対応しています。
九星 |
読み |
気(五行) |
一白水星 | いっぱくすいせい | 水の気を持つ |
二黒土星 | じこくどせい | 土の気を持つ |
三碧木星 | さんぺきもくせい | 木の気を持つ |
四緑木星 | しろくもくせい | 木の気を持つ |
五黄土星 | ごおうどせい | 土の気を持つ |
六白金星 | ろっぱくきんせい | 金の気を持つ |
七赤金星 | しちせききんせい | 金の気を持つ |
八白土星 | はっぱくどせい | 土の気を持つ |
九紫火星 | きゅうしかせい | 火の気を持つ |
一から九までの数字は、黄河の支流、洛水に現れた神亀の背中に描かれていた模様をもとにしているという伝説があります。数字の並びは縦3列・横3列。下表のように、縦・横・斜め、どの列を足しても合計15になる魔法陣です。
後天定位盤と呼ばれるこの並びを基本に、年、月、日、時刻が1進むごとに、中の数字が変わっていきます。わかりやすくするために、ちょうど「五」が中央になる2019年8月から先について図示しましょう。
各マスの数が1ずつ減っていき、一の次は九へと循環するルールです。この9マスは、方位も表しています。上が南、下が北、左が東、右が西。2019年8月なら、南に九紫火星の気があり、南東に四緑木星、東に三碧木星、北東に八白土星……という具合に、各方位に各九星の気が流れていると考えます。
九星気学や風水では、生まれ持つ気と相性が良い気が流れている方角が吉であると判断します。
1977年に発見された小天体。日本語ではカイロンと表記されることもあります。ギリシャ神話に登場するケンタウロス族の賢者・ケイロンにちなんで、キロンと名付けられました。
発見時は小惑星と思われていましたが、1988年に彗星としての特徴が観測されました。現在は、小惑星の特徴と彗星の特徴を併せ持つ「ケンタウロス型小惑星」として分類されています。
ケンタウロスは、ギリシャ神話に登場する、上半身が人、下半身が馬という種族。天体としては小惑星と彗星の性質を併せ持ち、神話上では人と獣の性質を併せ持つ。この天体がキロンと名付けられたこと自体に、運命的なものがあるように感じられます。
さて、ギリシャ神話のケンタウロス族は、乱暴な性質であるとされていました。しかし、ケイロン(キロン)は例外で、高邁な精神を持ち、ヘラクレスをはじめとする多くの英雄たちの教師でもありました。また、非常に優れた医術の知識と技術を持っていました。
そのため、生まれたときのホロスコープで、キロンがある位置は、その人にとっての「癒し」を表します。
出生時にキロンが位置する星座別に、癒しを得られる場面や環境をまとめました。
「キロン ホロスコープ計算」「chiron ホロスコープ計算」などのワードで検索し、あなたが生まれたときにキロンがどの星座にあったのか、調べてください。
■出生時のキロンの星座で占う■
キロンの星座 | 癒しを得られる場面や環境 |
おひつじ座 | 未知の世界へ足を踏み入れる。自分の意思で進む。 |
おうし座 | 美しいものに囲まれる。暑くなく寒くなく心地よい環境。 |
ふたご座 | 友だちとおしゃべりする。好奇心を満たせる。 |
かに座 | のんびりできる家。かわいいものに囲まれる。 |
しし座 | 自分を表現する場面。スポットライトを浴びる。 |
おとめ座 | 清潔で整理整頓された環境。健康的な生活。 |
てんびん座 | パートナーと過ごす。おしゃれして外出する。 |
さそり座 | 静かで明るすぎない場所。体を横たえる。 |
いて座 | 旅をする。乗り物を運転する。書物に囲まれる。 |
やぎ座 | 高いところから遠くを見る。コツコツ努力する。 |
みずがめ座 | 上下のない人間関係を結ぶ。論理的に思考する。 |
うお座 | 寺院などで祈る。人を信じる。海、湖、川の近く。 |
近頃話題の「〇〇ゲート」。ライオンズゲート、イーグルズゲート、エンジェルズゲート、ブルズゲートの4つがあります。
各ゲートが開くとき、宇宙からのエネルギーを受け取って、魂がアセンションするといった解釈がなされ、聖書の黙示録、占星術、タロットカードなどに描かれる象徴とリンクしているようです。
たとえば、ライオンズゲートは、毎年8月8日ごろに開くといわれます。これは、太陽がしし座の真ん中、15度に達するときです。東洋の暦では立秋ですね。同様、イーグルズゲートはさそり座15度・立冬、エンジェルズゲートはみずがめ座15度・立春、ブルズゲートはおうし座15度・立夏に対応します。
しし座、さそり座、みずがめ座、おうし座は、12星座の不動宮です。12星座は、活動宮・不動宮・変動宮の3つのグループに分かれます。活動宮は季節の始まり、不動宮は季節がたけなわとなるとき、変動宮は次の季節へと向かう変化のときです。不動宮の中央、すなわち各季節のエネルギーが最高潮に達するときに、天のゲートが開きます。
季節 | 始まり 活動宮 Cardinal | たけなわ 不動宮 Fixed | 切り替え 変動宮 Mutable |
春 | おひつじ座 | おうし座 | ふたご座 |
夏 | かに座 | しし座 | おとめ座 |
秋 | てんびん座 | さそり座 | いて座 |
冬 | やぎ座 | みずがめ座 | うお座 |
さて、ライオンズゲートがしし座、ブルズゲートがおうし座というのは、星座の姿と名前とが一致しています。みずがめ座に描かれるのは天使ではなく、神々の王ゼウスの愛した少年ガニュメデスですが、天使のように美しい少年ということで、それほどイメージがかけ離れているようには思えません。しかし、さそり座のイーグルだけが、なにやら別のもののように見えます。
これには、いくつかの説があるようです。どれかひとつの説が正しいというわけではなく、複合的な理由があると考えられます。その中で有力なのが、聖書に出てくる4つの動物と対応しているという説。
エゼキエル書や、ヨハネの黙示録には、獅子、鷲、人、雄牛の頭を持つ4種類の天使のような存在が、神の玉座のまわりに控えていると書かれています。
ウエイト版のタロットカードの【運命の輪】と【世界】のカードの四隅にも、その姿は描かれています。4つのゲートの象徴は、聖書やタロットに描かれる4種類の動物と対応しているのでしょうか。
また、天空を見上げると、さそり座の北側にはわし座が見えます。同じ夏の星座として視野に入りますから、これもまた、蠍と鷲との関連性のひとつに数えられるかもしれません。
4つのゲートと、各ゲートが開くときにどんなエネルギーが地上にもたらされるか、その時期はいつかなどを、下にまとめます。
ゲート | 時期 | 意味 |
ライオン(獅子) | 立秋 | 自立する。表現する。使命を抱く。 |
イーグル(鷲) | 立冬 | 神秘的な存在との結合。深い愛。熱烈な想いの昇華。 |
エンジェル(天使) | 立春 | 博愛精神。多くの人とリンクする。高次元の知性。 |
ブル(雄牛) | 立夏 | 豊かさの獲得。真の美を味わう。義務を果たす。 |
■2021年から2030年の各ゲートが開く日
年 | ライオン:立秋 | イーグル:立冬 | エンジェル:立春 | ブル:立夏 |
2021年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月3日 | 5月5日 |
2022年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月4日 | 5月5日 |
2023年 | 8月8日 | 11月8日 | 2月4日 | 5月6日 |
2024年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月4日 | 5月5日 |
2025年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月3日 | 5月5日 |
2026年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月4日 | 5月5日 |
2027年 | 8月8日 | 11月8日 | 2月4日 | 5月6日 |
2028年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月4日 | 5月5日 |
2029年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月3日 | 5月5日 |
2030年 | 8月7日 | 11月7日 | 2月4日 | 5月5日 |
※日付は日本時間です。
【夏至(summer solstice)】:その他
|
英語では「ミッドサマー(midsummer)」ということもあります。
天文学的には、太陽が北回帰線に到達する瞬間です。毎年だいたい6月21日ごろですが、年によって日付が違います。
北半球では、夏至に、南中する太陽を見上げる角度が最も高くなります。東京(北緯35度)ならば、地平線から78度近くの高さ。冬至の太陽高度は32度程度なので、実に46度ほども南中時の高さに差があるのです。
また、夏至は一年でいちばん昼の時間が長くなります。東京では、夏至の日の昼は14時間34分ほど。冬至の昼は9時間45分ほどですから、5時間近く差があります。実際に数字を並べてみると、夏と冬ではこんなに違うのかと驚きますね。
占いの世界でも、夏至は特別な意味を持ちます。
西洋占星術では、太陽が蟹座に入る瞬間です。2024年の夏至は、6月21日午前5時51分(国立天文台発表)。同じ日に生まれても、出生時刻が5時50分の人は双子座生まれ、51分の人は蟹座生まれになります。12星座占いの記事なら、読む星座が違ってしまいますね。
東洋の占いでも、夏至は暦の基準となる点のひとつです。たとえば、「日の九星」は、夏至の瞬間を含む日の前後で、いちばん近い甲子(きのえね)の日に、巡り順が変わります。それまでは、一白→二黒→三碧……と、順に巡っていた「日の九星」が、夏至の前後でいちばん近い甲子の日を九紫として、翌日から八白→七赤→六白……と、数字が減る順に変わるのです。
開運方位を見定めるのに「日の九星」は欠かせませんから、夏至は非常に重要な基準点であるといえます。
北半球の場合、夏至は「太陽の力が最大になるとき」です。それが特別な瞬間であり、神秘的なパワーを秘めていると考えるのは、自然なことでしょう。
とくに緯度の高い地域では、夏至が近づくほど昼が長くなり、北緯66.6度以上では、太陽が沈まない白夜が訪れます。それより少し南の地域でも、太陽が沈んでも薄明が残り、完全に夜にならない期間があります。
たとえば、北緯60度ほどに位置するノルウェーのオスロ、フィンランドのヘルシンキ、スウェーデンのストックホルムなどでは、夏至のころは「完全な夜」が訪れません。
そのため、古代から夏至を祝う祭りがとりおこなわれました。現在はキリスト教の祝日と結びつけられたりしていますが、もともとは、太陽に祈る祭りでした。家畜が増え、作物がたくさん収穫できますようにと、願いをこめたのです。
そして、夏至の祭りは、男女の縁結びとも深い関りがあります。恋をかなえるおまじない、素敵な人と結婚するためのおまじないが行われました。
もちろん、恋占いも盛んです。バラの花、ケーキ、卵などを使って、好きな人の気持ちや、運命の人がどんな人か占います。
おまじないも占いも、やりかたは地方によってさまざまですが、夏至の日と恋が関係あるのは共通しているようです。明るい夏至には、開放的な気分になるからでしょうか。
ヨーロッパの風習にあやかって、夏至には、ぜひ恋占いを。
【黄道(こうどうecliptic)・黄道帯(こうどうたいzodiac)】:西洋占星術/暦など
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黄道は、地球から見た太陽の通り道。
天空の座標を示すスケールとなる線のひとつです。地球の公転によって動いていく太陽が見える方向を、1年分つなぐと、黄道の線になります。
英語ではエクリプティック(ecliptic)。これは「食(しょく)」現象を表す言葉でもあります。日食と月食が、必ず黄道の線上で起きるので、このように名付けられたようです。
一方、黄道帯という言葉もあります。英語ではゾディアック(zodiac)。語源はギリシャ語のゾーディアコス(ΖΩΔΙΑΚΟΣ)で、直訳すると「動物の帯」という意味。書籍によっては「獣帯(じゅうたい)」と訳されることもあります。
帯というからには線ではなく、幅のある範囲です。黄道から南北にプラスマイナス8度、合わせて16度ほどの領域を示します。この領域の中にあるのが、おなじみの生まれ星座。牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座……と、動物を描いた星座が多いから、動物の帯と呼ばれました。
牡羊座生まれというのは、太陽が牡羊座のあたりを運行しているときに生まれた人ということになります。また、太陽ばかりでなく、水星や金星などの太陽系の惑星たちも、この黄道帯の範囲内を運行します。
たとえば、「水星が双子座にある」というのは、「水星が黄道帯の双子座あたりを運行している」という意味です。
〇〇座というのは、惑星たちが天空のどこにあるのかを示すための、所番地のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
星座を天空の所番地とするアイディアそのものは、8000年前とも6000年前ともいわれる古代からあったのですが、黄道を基準に天空360度をきっちり12等分にして、番地となる12の星座が定められたのは、今から2000年ほど前。
そのころは、「双子座に木星が輝いている」といえば、天に描かれた双子座の絵の中に木星が見えました。
しかし現在では、牡牛座の絵のあたりに見えます。でも、その位置を、黄道の座標では「双子座」と呼ぶ。これは、歳差運動のせいで、見た目の星座と黄道座標の星座がずれてしまったからです。(こちらも参考に→
歳差)
黄道座標の基準は、春分点。(こちらも参考に→
春分)
黄道と、天の赤道が交わる2つの点のうち、太陽が天球上で南から北へ通過するときの点を、春分点といいます。
この春分点を黄道の始まりとし、360度の円弧を30度ずつに等分割して、惑星の位置を示す目盛りにしよう。その目盛りの、30度、60度、90度……の区切りの位置にある星座を、天空の地名として扱おう。そう決められた時代には、春分点のあたりには、確かに牡羊座の絵が描かれていたのです。
ところが、2000年以上の時を経て、歳差運動によって、春分点が魚座の方向へずれていってしまったものだから、今は、春分点は魚の絵が描かれているあたりに位置しています。
見た目の星座の絵と、黄道の星座は別物。とくに区別したいときは、見た目の星座をコンステレーション(constellation/星の連なり)、黄道座標の星座をサイン(sign/印)と呼びます。
ちょっとややこしくもあるのですが、天文学の世界でも、占いの世界でも、この両方の「星座」を使います。
天文でも占いでも共通で使われている黄道12星座は、世界共通のものでもあります。
いろいろな時代いろいろな地域での、黄道12星座の呼び名を並べてみました。
日本語 | 正式名称 | 英語 | アッカド語 | 古代ギリシャ語 |
おひつじ座 | Aries | Aries | ルフンガ | クリオス |
おうし座 | Taurus | Taurus | グ・アンナ | タウロス |
ふたご座 | Gemini | Gemini | マシュタバ・ガルガル | ディデュモイ |
かに座 | Cancer | Cancer | アルル | カルキノス |
しし座 | Leo | Leo | ウルグラ | レオン |
おとめ座 | Virgo | Virgo | アブシン | パルテノス |
てんびん座 | Libra | Libra | ズィバ・アンナ | ズュゴス |
さそり座 | Scorpius | Scorpio | ギルタブ | スコルピオス |
いて座 | Sagittarius | Sagittarius | パビルサグ | トクソテス |
やぎ座 | Capricornus | Capricorn | スクル・マシュ | アイゴケロス |
みずがめ座 | Aquarius | Aquarius | グラ | ヒドロホオス |
うお座 | Pisces | Pisces | シンマフ | イクテュエス |
※正式名称:国際天文学連盟(IAU)が定める名称。ラテン語。
日本語 | ヒンディー語 | アラビア語 | 中国語 |
おひつじ座 | メーシャ | アル・ハマル | 白羊座 |
おうし座 | ヴリシャ | アッ・サウル | 金牛座 |
ふたご座 | ミトゥナ | アル・ジャウザー | 双子座 |
かに座 | カルカ | アッ・サラターン | 巨蟹座 |
しし座 | シンハ | アル・アサド | 獅子座 |
おとめ座 | カンニャー | アル・アズラー | 処女座 |
てんびん座 | トゥラー | アル・ミーザーン | 天秤座 |
さそり座 | ヴリシュチカ | アル・アクラブ | 天蠍座 |
いて座 | ダヌ | アル・カウス | 射手座 |
やぎ座 | マカラ | アル・ジャディ | 摩羯座 |
みずがめ座 | クンバ | アッ・ダルウ | 水瓶座 |
うお座 | ミーナ | アル・フート | 双魚座 |
※アラビア語のジャウザーはオリオン座のことですが、双子座のあるあたりの領域の名称として使われることがあるようです。
【コーヒー占い(kafemanteia、cafeomancy)】:その他
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コーヒーを飲み終わった後に残ったコーヒーかすの形を見て、吉凶を判断する占いです。
ギリシャ、トルコ、エジプトなど、地中海、中東、アラブにかけての一帯では、コーヒーをドリップするのではなく、ごく細かく挽いたコーヒーパウダーと水を、ブリキと呼ばれるひしゃくのような形の手鍋に入れて、煮出します。
それを小さなカップに注ぎ、コーヒーかすがカップの底に沈むのを待って、上澄みの部分だけを飲む。飲み終わった後、カップをソーサーに伏せ、できた模様を読み取ります。
同じような占いを、紅茶の葉を用いて行うこともあり、その場合は「紅茶占い(tasseomancy)」と呼びます。いずれも、作為なく偶然にできた模様を見て占う、卜術(ぼくじゅつ)の一種です。
コーヒーをブリキで煮出す飲み方は、紀元15世紀ごろにイエメンで始まったという説が有力ですから、それを用いたコーヒー占いの始まりは、どう見積もっても500年より前には遡りません。
しかし、カップにあらわれたシンボルの読み解き方は、地中海、中東、アラブにかけての一帯で、紀元前から伝わっている夢占いのシンボルなどと関連性が見られます。
こうした現象は、占いの歴史の中では、よく起きることです。タロットが生まれたのは紀元14世紀から15世紀ごろだが、カードに描かれたモチーフの中には、数千年前のメソポタミア文明に遡るものも含まれている……というのに、似ています。
コーヒー占いは、占いという行為自体を認めない、ギリシャ正教やイスラム教の篤信地域で生まれたため、たびたび、悪魔の所業として嫌われることもありました。でも、今日では、日常のポップな楽しみとして、受け入れられるようになっています。
最近は、コーヒー占い専用のカップもあるようです。カップの中に線が引かれ、どこに模様が現れたかによって時間の経過などを占えます。タロットで言えば、テーブルの上に複数枚のカードを並べるスプレッドのようなイメージでしょうか。1枚目のカードは過去、2枚目のカードは未来……という具合に、カップの取っ手側にあらわれた模様は過去、反対側は未来などと、定義されます。カップ内をエリア分けして占う方法は何種類かあり、どんなやりかたを採用するかは、占い師の裁量に任されています。
■コーヒー占いのシンボルと解釈■
シンボル | 解釈 |
鳥 | 自由になる。 |
ハート | 愛の喜び。 |
犬 | 親友に助けられる。 |
猫 | 困った人が現れる。 |
枝 | 葉がたくさんついていたらお金持ちになる。 |
目玉 | 嫉妬に注意。 |
天使 | 良い知らせ。一緒に出た悪いシンボルを無効にする。 |
数字 | 願いがかなうまでの時間。 |
星 | 成功、幸せ、健康。楽しい旅。 |
卵 | たくさんあるほど吉。割れた卵は凶。 |
リンゴ | 知識の習得。芸術的な成果。豊かさ。 |
【高揚の座(exaltation)】:西洋占星術/インド占星術
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古典の占星術は、近代の占星術より、吉凶の判定がはっきりしています。惑星が滞在する星座によって、幸せをもたらしたり、災いをなしたりすると定義されていました。そんな吉凶をあらわす指標のひとつが、品位(ディグニティ dignity)です。
高揚の座(イグザルテーション)も、その品位のひとつ。惑星にとって「居心地のいい星座」とされます。
惑星たちはいずれも個性的で、長所もあれば短所もあります。惑星の力が強まると、長所も短所も強調されるのですが、高揚の座にあるときは上品になり、長所がほどよく発揮されます。
さらに、高揚の座の特定の度数にあるときに、その惑星の最も高貴な特徴が現れる、とも。
反対に、高揚の座とちょうど180度向き合う位置は「下降の座」で、惑星が精彩を欠くと言われています。
惑星ごとの高揚の座と、度数を一覧してみましょう。古代の考え方ですから、望遠鏡発明以後に占星術に取り入れられた天王星、海王星、冥王星には割り当てがありません。惑星ではありませんが、古代から計算されていた黄道と白道の交点であるドラゴンヘッドとドラゴンテイルには、高揚の座があります。
惑星 | 高揚の座と度数 | 下降の座と度数 |
太陽 | 牡羊座19度 | 天秤座19度 |
月 | 牡牛座03度 | 蠍座03度 |
水星 | 乙女座15度 | 魚座15度 |
金星 | 魚座27度 | 乙女座27度 |
火星 | 山羊座28度 | 蟹座28度 |
木星 | 蟹座15度 | 山羊座15度 |
土星 | 天秤座21度 | 牡羊座21度 |
ドラゴンヘッド | 双子座03度 | 射手座03度 |
ドラゴンテイル | 射手座03度 | 双子座03度 |
※プトレマイオスによる高揚の座と度数。
高揚の座という定義が発生した歴史はとても古く、メソポタミアの時代にまで遡るといわれています。同じく品位として最も有名なのは
守護星(本来の座)ですが、それよりももっと古い時代に設定されたようです。
やがて時代が下り、メソポタミアからギリシアへ、アレクサンドロス大王の東方遠征によってギリシアからインドへと伝わっていきました。ただし、高揚の度数は、ギリシア式とインド式では違いがあります。
12星座に対してシステマチックに配されている守護星(本来の座)に比べ、高揚の座は、ランダムに決められたように見え、どうしてそのような割り振りになるのか、多様な説が論じられています。
出生ホロスコープの解釈に取り入れる例:
太陽が守護星座である獅子座にあるときに生まれた人は、太陽のパワーを受けて、堂々とした英雄的な性格になります。しかしその一方で、太陽のパワーをうまく使いこなせないと、干ばつをもたらす太陽のように、傍若無人なふるまいをするでしょう。
太陽が高揚の座である牡羊座にあるときに生まれた人は太陽の恵みをたくさん受けています。太陽のもたらす長所をいかんなく発揮し、清廉潔白かつ華やか、誰からも愛される人となるでしょう。とくに、太陽が牡羊座19度を運行する4月9日ごろに生まれた人は、その傾向がますます強くなります。
【五行(ごぎょう)】:四柱推命/九星・気学/風水/算命学/易など
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古代中国の思想のひとつ。世界は木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん、きん)・水(すい)の5つの気が混ざり合ってできているという考え方です。紀元前三世紀ごろに、陰陽思想と合わせて「陰陽五行思想」ができました。五行は、陰陽の組み合わせによって生じた、より高次の複合的な要素であると考えられています。易、四柱推命、九星気学、風水など、東洋の占いすべてに共通する世界観です。
【暦(こよみ)】:四柱推命/九星・気学/風水/算命学/紫微斗数など
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占い師が使う暦とは、時刻表のようなもの。何年何月何日に、どの十干・十二支・九星などがめぐるのか、延々と書き連ねられたデータです。暦の書式にもよりますが、節入り日・月相・六曜・納音などなど、占いで使うあらゆる要素が、1日分ごとに記されています。占い師の机の上に、分厚い辞書のようなものがあったら、たいてい、それが暦だと思ってよいでしょう。