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2024年4月15日更新

占いには、専門用語がたくさん! 知りたかったあの用語、この用語を解説します。
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八字パート・オブ・フォーチュン初夢ハロウィン不成就日プラネタリー・リターンブルームーンブルズゲートプログレス法へびつかい座ボイドホラリーホロスコープ本命星

【八字(はちじ・ぱーつー)】:四柱推命
ある人が生まれた日時や、ある出来事が起きた日時の、年・月・日・時の六十干支を合わせて、八字と言います。四柱推命の命式の根幹となる部分です。
命式は、流派によって違いがありますが、この八字の部分だけは、全流派共通です。

例:2022年3月21日00時34分東京の八字
年柱壬寅
月柱癸卯
日柱癸酉
時柱壬子

この八字をもって占いをすることから、四柱推命のことを八字と呼ぶこともあります。実際、四柱推命という言葉は、江戸時代の漢学者・桜田虎門(さくらだこもん)によって命名された「日本語」であり、発祥の地・中国では、八字と言うほうが一般的です。(ご興味のある方は、国立国会図書館デジタルコレクションで、桜田虎門による「推命書」を閲覧してください)。

年柱、月柱、日柱、時柱の4本の柱の各六十干支は、規則正しく永遠に循環します。九星のように逆順にめぐったり、季節の節目をきっかけにめぐり順が変わったりはしません。ある年が甲子の年なら、翌年は乙丑、その翌年は丙寅……と、順にめぐります。
一週間の曜日と同じく、起点になる時の六十干支から数えて、61番目の年、月、日、時は、起点と同じ六十干支に戻ります。

各柱ごとにさまざまな解釈がなされますが、ポピュラーなところでは、以下のように考えられています。
年柱祖先との関係。血筋。親から受け継いだもの。
月柱社会との関係。社会的に成し遂げること。
日柱パーソナリティ。性格や生まれ持つ才能。
時柱子孫との関係。自分が生み出すもの。


【パート・オブ・フォーチュン(part of fortune)】:西洋占星術
パート・オブ・フォーチュン、直訳すると「幸運の部分」といったところでしょうか。その名の通り、ホロスコープの持ち主の幸運のありかを示します。
ホロスコープ計算アプリで出力すると、〇の中に×の入ったマークで表示されるでしょう。
計算に必要な要素は、アセンダント、太陽、月の黄経です。一般的に黄経は「〇座の〇度」と表現しますが、これを牡羊座0度を起点とした360度にして計算します。
「アセンダントの度数+月の度数-太陽の度数」がパート・オブ・フォーチュンです。太陽が地平線より下にあるホロスコープでは、「アセンダントの度数+太陽の度数-月の度数」をパート・オブ・フォーチュンとすることもあります。

パート・オブ・フォーチュンは、アラビック・パート、グリーク・ロットなどと呼ばれる占星術の技法の一部です。ホロスコープ上の3つの度数を足し引きして算出する「パート・オブ・〇〇」は、他にもたくさん存在します。
その起源は大変古く、ヘレニズム時代以前にまでさかのぼり、紀元1世紀ごろのギリシアから、ローマ帝国崩壊後に、占星術がアラブ世界に引き継がれていく過程で、たくさんの「パート・オブ・〇〇」が誕生しました。
その中で、最も有名で重要なのがパート・オブ・フォーチュンであると言えます。

生まれた場所や時間が明確でないと、アセンダントや、惑星たちの正確な黄経座標がわからないので、パート・オブ・フォーチュンを算出しても意味がありません。
算出したパート・オブ・フォーチュンがどの星座に位置しているか、どんな惑星とどんな位置関係にあるかなどを見て、さまざまなことを占います。

■パート・オブ・フォーチュンの星座で占う幸運のありか
星座   幸運のありか
おひつじ座新たな道を切り開く場面。
おうし座 心身ともに安定し、豊かさを味わう場面。
ふたご座 多くの人と交流し、情報交換する場面。
かに座  家族と安心して過ごす場面。
しし座  多くの人の注目を集める場面。
おとめ座 仕事を着実にこなし、健康に過ごす場面。
てんびん座客として招かれた場面。
さそり座 愛する人との強い結びつきを感じる場面。
いて座  果てしなく広がる世界を見渡す場面。
やぎ座  社会機構の中で役割を果たす場面。
みずがめ座自由に、オリジナリティを発揮する場面。
うお座  無限の愛と、周囲との一体感を味わう場面。


【初夢(はつゆめ)】:夢占い
新年最初に見る夢のこと。夢の内容によって、その年の吉凶を占いました。いつ見る夢を「新年最初の夢」と定義するかは、時代や地方によって違います。旧暦を使っていた時代は、立春を年の始まりとしていたので、現在なら2月の初めごろに見る夢でした。
また、夢を見る夜も、「大晦日→元旦」「元日→二日」「二日→三日」と何種類かあります。夢を見なかった、見ても覚えていなかったということもあるでしょうから、「3回チャンスがある」と考えるのもよいかもしれませんね。
本来は、粛々と天意を問う夢占いだったのですが、ここで一年の吉凶が決まるとなれば、できるだけよい夢を見たいのが人情というもの。足利時代ごろには、吉夢を見るためのおまじないが生まれました。
なかでも有名なのは、宝船や七福神、夢に関する和歌を書いた紙を枕の下に敷いて眠りにつくというやりかた。和歌は、回文(上から読んでも下から読んでも同じ音になる)になっており、たとえ縁起の悪い夢を見ても、吉に変えるパワーがあると考えられました。

なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな

和歌の解釈には諸説ありますが、宝船がさわやかな波音を立てて進み、幸せがやってくるといったことを歌っています。
この和歌を書いた正方形の紙を船の形に折って、枕の下に敷いて眠りにつくと、きっと良い夢が見られるでしょう。A4サイズの紙に印刷し、切って折って使える【初夢の宝船】を用意しました。

【初夢の宝船】ダウンロード(PDFファイル)

ガイド線の通りに折るとできる簡単な折り紙です。この折り方は、「帆掛け船」「だまし船」といった名前で、折り紙の本などで解説されていることもあります。ステキな初夢を見るために、お役に立てたらうれしいです。

【ハロウィン(Halloween)】:その他
万霊節(ばんれいせつ)とも。ケルト人の祭りのひとつ、サウィンが起源と言われています。
ケルト人は、1年間に4回、季節の区切りごとに祭りを行っていました。サウィン、インボルク、ベルティナ、ルーナサです。
名前時期概要
サウィン10月31日から11月1日1年の始まり・冬の始まりを祝う
インボルク2月1日春の始まりを祝う
ベルティナ5月1日夏の始まりを祝う
ルーナサ8月1日秋の始まりを祝う
これらの祭りの始まりは、ケルト人がヨーロッパに広がった、紀元前1200年ごろから紀元前500年ごろまでにさかのぼると思われますが、正確な時期ははっきりしません。ただ、キリスト教が始まる前にはすでにあった祭りです。

ハロウィンは、ケルトの暦の1年の始まりであるサウィン祭の流れをくんでいます。古い年のいちばん最後の日、10月31日の夜に、先祖たちの霊が家族のもとに訪れます。死者の魂は、生きている人間とは違って、恐ろしい姿です。人々は、食べ物や飲み物を用意して、先祖の魂をねぎらい、同時に、災いをなさずに死者の世界へ帰るようにと祈りました。
子孫たちのもてなしを受けると、先祖たちは満足して、遠い世界へと帰っていきます。夜が明けると、新しい年の始まりです。

そんな祭りは、時代が下るにしたがって、ケルト人が移動したり、他の民族の文化と混ざり合うことによって、さまざまに形を変えていきました。
サウィンがハロウィンという名前になったのは、16世紀から18世紀ごろです。このとき、キリスト教の聖人たちを敬う日にもなりました。

現在の私たちがハロウィンと聞いてイメージするのは、子どもたちがお化けの扮装をして、かぼちゃのランプを持ち、「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ」と、家々を回るイベントですね。この形は、アメリカで定着したと言われています。
かぼちゃのランプも、古くは、ルタバガという品種のかぶを使ったものでしたが、新大陸ではルタバガが手に入らなかったので、かぼちゃになったのだとか。

今や、モンスターのコスプレをして、乱痴気騒ぎをするのがハロウィン……のようなイメージもできてしまいましたが、もともとは、異世界の扉が開く、神聖な夜です。

もちろん、占いをするにはぴったりの日。とくに、将来の結婚相手について占うなら、ハロウィンの夜がいいとも言われています。

【不成就日(ふじょうじゅにち・ふじょうじゅび)】:暦
読んで字のごとく、成就しない日。この日に何かを始めるのは避けた方がいいとされます。
結婚式、子どもの名づけ、起業、開店、習いごとを始める、引っ越し、願いごとをする……などなど、これから新しいことが始まることに関してはすべて凶です。いちばんいいのは、「何もしない」こと。また、葬式などのよくないことに関してはとくに問題はありません。

不成就日は、旧暦の月と日付で以下の表のように決まります。
例として、2024年の不成就日も併記しました。
旧暦の月旧暦の日付2024年の不成就日
十一月五日・十三日・二十一日・二十九日1月2日 1月10日
十二月六日・十四日・二十二日・三十日 1月16日 1月24日 2月1日 2月9日
正月三日・十一日・十九日・二十七日2月12日 2月20日 2月28日 3月7日
二月二日・十日・十八日・二十六日3月11日 3月19日 3月27日 4月4日
三月一日・九日・十七日・二十五日4月9日 4月17日 4月25日 5月3日
四月四日・十二日・二十日・二十八日5月11日 5月19日 5月27日 6月4日
五月五日・十三日・二十一日・二十九日6月10日 6月18日 6月26日 7月4日
六月六日・十四日・二十二日・三十日 7月11日 7月19日 7月27日
七月三日・十一日・十九日・二十七日8月6日 8月14日 8月22日 8月30日
八月二日・十日・十八日・二十六日9月4日 9月12日 9月20日 9月28日
九月一日・九日・十七日・二十五日10月3日 10月11日 10月19日 10月27日
十月四日・十二日・二十日・二十八日11月4日 11月12日 11月20日 11月28日
十一月五日・十三日・二十一日・二十九日12月5日 12月13日 12月21日 12月29日
※2024年1月1日は旧暦では前年の十一月二十日にあたるため、上記表は旧暦十一月から表記しました。

月に4回もあって、なかなかの頻度で巡ってくるのがわかりますね。これほどの頻度ですから、当然、一粒万倍日などの吉日と重なるケースも頻発します。その場合は、吉日の吉の効果が少し割引されるといったところでしょうか。吉の意味が消滅するというわけではありません。

いずれにせよ、良き日を選ぶには、複雑な条件が絡むので、専門家の意見を参考にするのがいちばん。まずは、あなたにとって都合がいい日時の候補を出し、その中からより多く吉の条件が重なる日を、占い師にアドバイスしてもらうといいでしょう。

【プラネタリー・リターン(planetary return 惑星回帰)】:西洋占星術
惑星が、地球から見て、同じ黄道座標に戻って来ること。
占星術ファンの間で、よく話題に上るのが「サターン・リターン(土星回帰)」で、占星術上の成人式などと言ったりします。生まれたときと同じ位置に、土星がめぐってくることです。例えば、水瓶座の1度に土星があるときに生まれた場合、約29年後に、再び土星が水瓶座の1度に戻ってきたときを、サターン・リターンと言います。
土星は、社会の中でどんな責任を負い、どんな役割を果たすのかを示す星です。プラネタリー・リターンは、惑星が表すテーマが回帰して、また新たなステージに進む節目となるときです。サターン・リターンでいえば、その人が社会的な立場を確立するときといえます。
新たな責任を負い、義務を果たしていくことになるので、この時期には苦労するケースも多いでしょう。けれど、土星のもたらす試練を乗り越えれば、一人前の人物として、社会的な地位を認められ、活躍するはずです。
土星は、地球から遠い軌道を運行しているので、回帰までには時間がかかりますが、いちばん近い軌道を運行している月は、約28日で、同じ位置に戻ってきます。これを「ルナー・リターン(月回帰)」と言います。
1年に13回から14回起きるルナー・リターンは、バイオリズムのようなものです。だいたい、28日くらいの周期で、体調が変動するのを感じている人もいるのではないでしょうか。ルナー・リターンは、心身ともに何かがリセットされるときですから、生活習慣を改善するのに役立てることができそうです。
さらに、身近で理解しやすいのが、太陽が回帰するとき、「ソーラー・リターン(太陽回帰)」。誕生時と同じ位置に、太陽が戻ってくる瞬間です。地球の公転周期は、365日と4分の1程度ですから、毎年、誕生日かその前後の日に、その瞬間が訪れます。 ソーラー・リターンの瞬間のホロスコープを作成すると、その年齢の運勢全体を占うことかできます。

占星術で使う各惑星がリターンする周期と、テーマとなる内容を一覧にしました。
惑星 回帰周期 テーマ
太陽約1年その年齢の総合的な運気
約28日心身のリズムなど
水星約1年人間関係、勉強など
金星約1年恋愛、金運など
火星約2年挑戦することなど
木星約12年成功、富など
土星約29年社会的な役割など
天王星約84年魂の改革など

海王星と冥王星は、人間の一生をかけても回帰することがないので、上の表には入っていません(海王星は約165年、冥王星は約248年で回帰します)。
土星、天王星など、動きの遅い星は、ハーフ・リターン(半周)、クォーター・リターン(4分の1周)も、重要な時期として扱います。
水星と金星は、地球から見ると、太陽のそばから離れることがありません。そのため、マーキュリー・リターン(水星回帰)とヴィーナス・リターン(金星回帰)は、約1年に1回です。
太陽と月以外は逆行があるので、誕生時とぴったりの度数になるのが、1回のリターンで3回起きることがあります。

プラネタリー・リターンは、正確に天体の位置を計算しなければならないので、専門家の意見をしっかり聞く必要がありますが、人生全体を理解するために役立つ占法です。

【ブルームーン(Blue moon)】:西洋占星術/その他
1か月の間に2回満月が起きるとき、その2度目の満月をブルームーンといいます。めったにないことなので、英語で「blue moon」というと、「珍しいこと」「特別なこと」という意味があります。

2023年8月は2日と31日に満月があり、2度目の満月である31日がブルームーンです。

満月から次の満月までは、平均で29.5日かかります。だから、カレンダーの1日や2日が満月の日に当たると、30日や31日にもう1度満月が巡ってくるケースがあるのです。

でもこの定義だと、地球上のどこにいるかによって、ブルームーンになったりならなかったりするケースが発生します。たとえば、ヨーロッパでは前の月の31日に2度目の満月が起きてブルームーンになったけれど、日本ではすでに翌月の1日に日付が変わっていて、ブルームーンにならないというケースです。

ブルームーンの定義は他にも2つあるので、仮に名前をつけて解説しましょう。
 A:カレンダーのブルームーン
 B:二至二分のブルームーン
 C:占星術のブルームーン
Aは、冒頭で説明した2023年8月31日のブルームーンを導き出す定義です。

■B:二至二分のブルームーン
二至二分とは、春分・夏至・秋分・冬至のことです。この定義では、まず1年を以下の4つの期間に分けます。
 1:春分→夏至
 2:夏至→秋分
 3:秋分→冬至
 4:冬至→春分

各期間は3か月程度ですから、1期間につき3回は満月が起きることになります。
でも月は1年間に、ぴったり12回満ち欠けを繰り返すわけではありません。満月から次の満月までは、平均で29.5日。29.5日×12回=354日、1年はおよそ365.25日ですから、少し余りが出ます。このため、満月がある期間のごく初めのほうに当たった場合、その期間の終わりごろに4度目の満月が起きることがあります。

この定義のおもしろいところは、その4回目の満月をブルームーンとするのではなく、その期間の3回目の満月をブルームーンとするところです。

2024年8月20日がブルームーンとなることを例にとりましょう。

2024年の夏至・6月21日
1回目の満月・6月22日
2回目の満月・7月21日
3回目の満月・8月20日←これがブルームーン
4回目の満月・9月18日
2024年の秋分・9月22日
※日付は日本時間です。

なぜ4回目ではなく3回目の満月がブルームーンになるのかはっきりしないのですが、キリスト教のイースターの祭日を決定することに関係しているのではないかという説が有力のようです。

■3:占星術のブルームーン
太陽が1つの星座に滞在中、2回満月が起きることがあります。
その2回目の満月が占星術のブルームーンです。
そもそも「ブルームーン」という言葉が使われたのは、占星術がルーツなのではないかと言われています。
2024年は、太陽が蟹座を運行する6月21日から7月22日までの間に、6月22日と7月21日の2回、満月が起きます。2度目の満月である2024年7月21日が占星術のブルームーンです。

このように、ブルームーンには複数の定義がありますが、どれかが正しくて、他は間違っているということではありません。いずれの場合も、まれに起きる特別な満月です。

月は人の心や無意識を表す天体。
ブルームーンを見上げ、自分の内面と向き合う時間を作ると、特別なアイディアが浮かぶかもしれません。

【ブルズゲート(bull's gate)】:その他
ニューエイジ系、スピリチュアル系の人々が、立夏のことをブルズゲートと呼ぶことがあります。詳細はゲートを見てください。

【プログレス法(progression)】:西洋占星術
私たちは、生まれ落ちたその瞬間から成長を続けています。1年前の自分は今とは違うし、子どものころと今を比べれば、もっと違う。運命もまた、生まれたときのまま変わらないのではなく、だんだん変化していくと考えるのが自然です。

プログレス法は、ネイタル・チャート(出生時のホロスコープ)を進行させ、「時が経つに応じて変化していく運命」を読み取る方法。生まれてから、どれくらい時間が経ったら、どんなことが起きるかを占う予測技法です。
プログレス法を使うと、「〇歳のときに、天職となる仕事にめぐりあう」「〇歳ごろは、恋愛に関してこんな考え方をする」といったことが占えます。

このような未来予測の技法の歴史はとても古く、古典期から発達を続けてきました。そのため、プログレス法には、何種類もの計算法があります。その主だったところを挙げましょう。

■1日1年法
1歳年を取るごとに、ホロスコープが1日分進むという計算法です。以下の要領で、プログレス・チャート(進行のホロスコープ)を作成します。

例:2000年1月1日12時00分生まれの人
1歳のプログレス:2000年1月2日12時00分
2歳のプログレス:2000年1月3日12時00分
3歳のプログレス:2000年1月4日12時00分
  :
  :

「1日」や「1年」をどう定義するかによって、結果が微妙に違ってきます。たとえば、地球の自転1回分は、ぴったり24時間ではありません。上の例ではぴったり24時間後を1年後のプログレスとして計算していますが、厳密に自転1回分の時間(23時間56分ほど)を「1日」として計算するやり方もあります。
同様、「1年」も、厳密に言うと何種類かの定義があるので、「1日」と「1年」の組み合わせ方によって、計算結果に小さな違いが出てきます。

■1度1年法
1歳年を取るごとに、各惑星とアセンダントなどの重要な点が、ホロスコープの中を1度進むという計算法です。
1日1年法より単純で、概算しやすいので、占い鑑定の現場でもよく使われますが、惑星たちが織り成すアスペクトが、ネイタル・チャートから変わりません。
しかし、1日1年法では、天王星などの動きの遅い惑星たちが一生のうちでほぼ動かないことになりますが、1度1年法では1年につき必ず1度動くので、30歳になるまでには、動きの遅い冥王星でさえ、次の星座に移るタイミングがあります。

そのため、太陽から土星までの7つの惑星は1日1年法で、天王星・海王星・冥王星は1度1年法で、というように、ハイブリット型にして使うケースもあります。

■ソーラーアーク法
一度一年法に似ていますが、もう少し厳密に計算する方法です。太陽が黄道座標を移動する1日分の度数を、人生の1年分に相当すると考えます。
地球は太陽の周りを完全な正円を描いて公転しているわけではありません。1月ごろは太陽に近い位置を運行し、7月ごろは太陽から遠い位置を運行しています。そのため、太陽の黄道座標上の移動速度は、1月ごろは少し速く、7月ごろは少し遅く見えます。
ソーラーアーク法では、この太陽の見かけの速度を計算に入れます。1月ごろに生まれた場合は、1年歳をとるごとに1度よりほんの少し多く、太陽が動きます。同様、7月ごろに生まれた場合は、1年歳をとるごとに1度に少し欠けるくらい、太陽が動きます。他の惑星たちにも、太陽が動く分と同じ度数を足します。

■プライマリー・ディレクション
地球の日周運動を基準に、ネイタル・チャートを進行させる方法です。
星たちは、24時間かけて、東から昇り、南中し、西に沈み、また東から昇ってきます。360度回転して戻ってくるには、1440分かかることになります。
1度分の回転には、1440分÷360度=4分かかります。
この4分間を、人生の1年分とみなすのが、プライマリー・ディレクションです。

例:2000年1月1日12時00分生まれの人
1歳のプログレス:2000年1月1日12時04分
2歳のプログレス:2000年1月1日12時08分
3歳のプログレス:2000年1月1日12時12分
  :
  :

100歳まで生きたとしても、ネイタル・チャートから400分(6時間40分)先のホロスコープ図でしかないので、惑星たちの黄道座標やアスペクトは、ほとんど動きません。
その代わり、星の見える高さと方角が変わります。惑星が東に昇ってくる歳、南中する歳には、何か特別なことが起きると判定します。

■ターシャリー
1日分の星の動きが、人生の1か月に相当するとみなす計算法です。一日一年法ならぬ、一日1か月法とでもいうものでしょうか(残念ながら、このような用語はありません)。
この場合の1か月は、私たちが生活の中で使うカレンダーの1か月ではなく、月が黄道を1周する27日ほどの期間です。

■逆プログレッション
ここまで説明したプログレスの技法は、1歳年をとるごとに、少し先のホロスコープ図へと進行していく形でした。
この時間の進行を過去の方向へ遡らせる方法もあります。
例えば、一日一年法の逆プログレッションならば、以下のようになります。

例:2000年1月1日12時00分生まれの人
1歳のプログレス:1999年12月31日12時00分
2歳のプログレス:1999年12月30日12時00分
3歳のプログレス:1999年12月29日12時00分
  :
  :

このように、ネイタル・チャートを進行させるプログレス法には、たくさんの計算法があります。どれが正しいのかと問われても、どれも正しいと答えるほかありません。どの技法を選ぶかは、占い師のセンスに任されています。
また、自分にとってしっくりくる技法はどれか、という感覚をつかむのも大事です。

簡単に試す方法もあります。
あなたが30歳くらいであれば、ほぼ間違いなく、太陽は生まれ星座の次の星座にプログレスしているはずです。
生まれ星座の終わりのほうの日に生まれたならば、もう次の次の星座に入っているかもしれません。一日一年法や一度一年法なら、30日で次の星座に移ると概算してよいでしょう。
雑誌やWEBの星占いの記事で、生まれ星座のひとつ先の星座の運勢として書かれている内容を、読んでみてください。プログレスによる星の影響を感じるかもしれません。

【へびつかい座(ophiuchus)】:その他
国際天文学連合によって1928年に設定された88の星座区分によると、現在の黄道は、さそり座の領域を通過したあと、へびつかい座の領域を通り、いて座の領域に入ります。
いわゆる13星座占いが始まったのは、イギリスで天文学の解説書を書いている、作家にして天文学者ジャクリーン・ミットンが言ったジョークがきっかけになっているのだとか。
それは、だいたい以下のような内容だったようです。
「一般的な星座占いが、生まれたときに太陽が黄道上のどの星座の領域を運行していたかをもとに占うのなら、へびつかい座生まれの人もいるってことになるわね」(もちろん、この通りのセリフではないでしょうけれど)。
そもそも、国際天文学連合が設定した88の星座区分と、西洋占星術でいうところの12星座とは、定義が違います。西洋占星術の12星座は、黄経がもとになっています。黄経は、春分点を牡羊座の0度として、太陽の黄道上の見かけの動きと同じ方向に値を増やし、360度まで数えます。そして、黄経30度が牡牛座0度、黄経60度が双子座0度、黄経90度が蟹座0度……と、30度ずつ等分に、12の星座名を割り振ります。その名称の中には、へびつかい座はありません。88の星座区分とは無関係なのです。
ミットンの言ったことは、星占いを語るには論点がずれているのですが、そのズレをおもしろがったジョークが「へびつかい座生まれ」なのでした。
とはいえ、星占いは、今も成長を続けるアートです。へびつかい座には、医術の神アスクレピオスの神話があります。神話から象徴を見出し、占いの解釈をつけていくのは、伝統的なやりかたです。だから、ミットンのジョークはとても魅力的なのかもしれません。

【ボイド(void of course)】:西洋占星術
ボイドとは「void of course(ボイド・オブ・コース:無効な進路)」のことです。ある天体が、あるサイン(星座)の領域で、他の天体とアスペクト(角度)をとったあと、次のサインに移るまでの間に、他の天体とアスペクトをとらない期間のこと。
現在、一般的に言われる「ボイドタイム」は、月のボイドを指しているようです。
これは本来、西洋占星術のホラリーと呼ばれる技法の中に出てくるものでした。ホラリーでは、月がなんらかの天体とアスペクトをとっていないときは、占いは成立しないと判定することがあります。
ホラリーで、月はとても重要な役割を果たすため、それがアスペクトを持たないとなると、読みだせる出来事が少なくなるからです。
これが転じて、「ボイドのときは行動しないほうがいい」「ボイドのときは決断するな」といった巷説に発展していったと思われます。さらに曲解が進み、「ボイドのときは悪いことが起きる」などといった、ネガティブな意見を言う人もいますが、決してそんなことはありません。月に限らず、なにかの星が絶対的な悪いことをもたらすといった解釈は、間違いです。

なお、天文学的には、「void」と言えば、宇宙の中で、銀河がほとんど存在しない巨大な空間のことを示します。

【ホラリー(horary)】:西洋占星術
古典占星術の技法のひとつ。ホラリー(horary)とは、ギリシア語の「時間」を意味する言葉「hora」が語源です。

「私は試験に合格しますか」「なくしたものはどこにありますか」といった、質問者が今まさに直面している問題に、答えを出す占いです。YesかNoか、はっきり占断するための技法が確立しています。
質問者の出生年月日時を使ってホロスコープを作る、ネイタル占星術のように、人の性格や生き方について占うものではありません。

質問者や出来事を表す星を見つけ出す、複雑で厳密なルールがたくさんあり、習得するまでには、時間がかかります。星の配置を見定めたうえで、「今は占うのに適したときではない」と、拒絶されることもあるほどです。(→ボイド参照)。

古い時代の占星術ですから、望遠鏡が発明されてから発見された、天王星、海王星、冥王星は出てきません。しかし、近年は、これらの新天体も、占断に取り入れる試みがなされているようです。

ホラリーの発想は、シルクロードを通ってインドにも伝わり、プラシュナという技法となって、また別の発達を続けています。

ホラリーの占断は、まず、質問者が占星術師に質問をするところから始まります。「あの人と結婚できますか?」といった、質問が投げかけられた瞬間のホロスコープを読み取ります。
さらに、問題発生の瞬間の前後に、星たちがどんな速度でどのように動くのかを追い、その問題がどのくらいの時間をかけて解決するのか、あるいは解決せずに終わるのか、判定します。

【ホロスコープ(horoscope)】:西洋占星術
ある瞬間、ある場所での星の配置を記した図。とくに、人が生まれた瞬間の星の配置を記したものを「ネイタルホロスコープ」といいます。この図をもとに、その人が生まれつきどんな運命を持っているか、どんな才能があるか、どんな人と相性が良いかなどを占います。「ホロスコープ」のもともとの意味は、古代ギリシア語のhoroskopos(horo……時、skopos……見張り)で、東の空から昇りくる星々を観測することを表していました。それがいつの間にか、星の配置を示した図のことをそう呼ぶようになりました。

【本命星(ほんめいせい・ほんみょうしょう)】:九星気学/風水
九星気学占いで基本となる星のひとつ。
九星には、十干十二支と同じように、年の九星、月の九星、日の九星、時刻の九星があります。その中でも、とくに大事なのが、生まれた年の九星で、これが本命星です。
「私は一白水星の生まれなの」などというときは、この本命星を指しています。

本命星を出すには、簡単な計算法があります。

1:生まれ年を西暦にする。
2:生まれ年の西暦の数字を足し合わせ、1桁にする。
3:2で出た1桁の数字を、11から引いて出た数字が、本命星。

例1:2016年生まれの場合。
2+0+1+6=9
11−9=2
本命星は二黒土星。

例2:1981年生まれの場合。
1+9+8+1=19 1+9=10 1+0=1
11−1=10 1+0=1
※答えが2桁になったら1桁になるまで足し合わせます。
本命星は一白水星。

なお、九星気学では、1年の始まりは立春(節分の翌日。だいたい2月4日ごろ)です。立春の前に生まれた人は、前の年の九星が本命星となります。
占い用語辞典の九星も参照してください。



監修:占い師の部屋事務局
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