2022年12月14日更新
占いには、専門用語がたくさん! 知りたかったあの用語、この用語を解説します。
や行
厄年
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用神
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4元素
厄年とは、読んで字のごとく、災厄にあう歳という意味。その年齢になると、体に不調が起きたり、災いに遭ったり……科学的な根拠はないものの、つい、身構えてしまうものです。
一般に、厄年を意識するようになったのは、室町時代(14世紀から16世紀)ごろと言われていますが、さらにさかのぼった平安時代の公卿、藤原実資(ふじわらのさねすけ)の『小右記(おうき・10世紀前後)』には、すでに「厄年」という言葉が記載されています。
また、本来は「厄年」ではなく、「役年」で、社会的な役目を果たす年齢という意味だったという説もあります。
このように、来歴についてはっきりとしたことがわからない「厄年」ですが、私たちの普段の生活に浸透していて、気にする人も多くいます。何歳が厄年に該当するのか、これもまた諸説あって、よく耳にするのは「男の大厄は42歳、女の大厄は33歳」といったものでしょう。
ここでいう〇歳は、満年齢ではなく、数え年です。数え年は、誕生した年を1歳の年として(0歳という期間はない)、1月1日を迎えるごとにひとつずつ年をとる数え方です。12月31日に生まれた人は、生まれたその日だけが1歳で、翌日には、もう2歳と数えます。
一般的に厄年と言われる数え年は、以下です。
※厄年の期間は誰でも1月1日から12月31日。
■男性
10歳/25歳/
42歳/61歳
■女性
19歳/
33歳/37歳
とくに、男性数え42歳と女性数え33歳を「大厄(たいやく)」と呼びます。その前年は前厄(まえやく)、後年は後厄(あとやく)、大厄の当年は本厄(ほんやく)。大厄では、都合3年間、厄が続くことになります。
その他にも、男女問わず、以下の数え年を厄年とみなすことがあります。
1歳/4歳/7歳/10歳/13歳/16歳/19歳/22歳/25歳/28歳/33歳/37歳/40歳/42歳/46歳/49歳/52歳/55歳/58歳/61歳
大厄である33歳と42歳を除いては、4年のタームで規則正しく巡ってくるのが見て取れます。まずは十二支を、時計の文字盤のように円形に並べます。すると、生まれた年の干支から見て、「同じ干支・90度の位置にある干支・180度の位置にある干支・270度の位置にある干支」が厄年に該当します。
西洋占星術の知識がある人なら、コンジャンクション(0度・合)、スクエア(90度・矩)、オポジション(180度・衝)の関係だと気づくでしょう。古典西洋占星術の「プロフェクション」と呼ばれる、年運を出す技法とも、似ているところがあります。
今となっては来歴の定かでない厄年ですが、もしかしたら、暦や占星術や天文学の発達段階で、東西交易とともに知識が交換されていたころ、作られたものなのかもしれません。
厄年に当たる年は人生の節目と考え、歴史のロマンに想いを馳せつつ、神社やお寺でご祈祷を受けると、心改まるでしょう。
個人の命式の中にある、その人を助けてくれる要素。一定のルールはありますが、何を用神とするかは、占い師のセンスに任されています。まさしく、腕の見せ所というべきもの。基本的には、命式の中の五行のバランスを整えるという視点で判定します。
【4元素(よんげんそ 4 elements)】:西洋占星術/タロットなど
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古代ギリシアで発祥した自然科学観のひとつ。紀元前400年代に活躍した自然科学者エンペドクレスが、この世界は4つの根源的物質リゾーマタによって成り立っていると唱えました。リゾーマタを英訳したのがエレメンツ。日本語では元素と訳され、火、地(土)、風(空気)、水という言葉であらわされるのが一般的です。また、世界を4つに分ける考え方は、エンペドクレスより100年程前のピタゴラス学派の中にも、すでに見られます。
一般的な占いの場面では、占星術の12星座を4つのグループに分けるときに使われます。タロットカードの小アルカナのスート(マーク)も、4元素に対応しています。
占いの解釈においては、その元素に影響された人が、どんな価値観を持つかを表します。
元素 |
価値観 |
星座 |
小アルカナのスート |
火 |
直観:正しい/正しくない |
牡羊座・獅子座・射手座 |
棒 wandまたはbaton |
地 |
感覚:心地よい/不快 |
牡牛座・乙女座・山羊座 |
金貨 coinまたはpentacle |
風 |
思考:おもしろい/つまらない |
双子座・天秤座・水瓶座 |
剣 sword |
水 |
感情:好き/嫌い |
蟹座・蠍座・魚座 |
聖杯 cup |
なお、東洋の五行思想にも、同じ火・土・水という言葉が出てきますが、発祥も考え方も全く別のものです。東洋の「気」は変化し循環しますが、エンペドクレスの言う「リゾーマタ」は、集まったり分離したりすることはあっても、変化することはありません。たとえば、五行の火は燃え尽きて土に変化しますが、エンペドクレスの火は何があっても火のままです。